グラフィックデザイン独学は「街歩き」から。初心者のための5つの観察ポイント

グラフィックデザイン独学は「街歩き」から。初心者のための5つの観察ポイント

PhotoshopもIllustratorも、まだ一度も開いたことがない。
それでもグラフィックデザインの勉強は、もう始められます。
実際にプロのデザイナーが新人によく勧めるのは、ソフトの操作より先に「街を歩くこと」だったりします。

栄や名古屋駅の雑踏を歩けば、目に入るチラシや看板、商品パッケージのひとつひとつが、プロの手による立派な教材になっているからです。
とはいえ、ただ眺めて「かわいい」「かっこいい」で終わらせては、力はついていきません。
今日からひとりで実践できる、街を教材に変える5つの観察の視点を紹介します。

街は、無料のデザイン資料館

デザインの勉強というと、参考書を読んだり、ギャラリーサイトで作品を眺めたりする姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。
もちろんそれも有効な方法です。
ただ、そうしたインプットには共通の弱点があります。
すでに「デザインとして選ばれたもの」しか並んでいない、という点です。

街はそうではありません。
栄や名古屋駅の周辺を少し歩くだけでも、飲食店の店頭POP、商業施設のセール告知、駅構内のイベントポスター、コンビニの棚に並ぶ新商品のパッケージまで、ジャンルも予算もばらばらの制作物が同時に目に飛び込んできます。
しかもその一つひとつに、必ず作った人がいて、必ず意図があります。
デジタルハリウッドSTUDIO名古屋でも、受講生に「今日、通学の途中で目に留まったデザインはありましたか」と聞くことがあるのですが、答えに詰まってしまう人がほとんどです。
裏を返せば、見る力さえ育てば、通学路そのものが教材に変わるということでもあります。

感覚を言葉にする、観察の5つの視点

「なんとなく良い」「なんとなく気になる」で止まっている限り、その感覚は自分の制作には持ち帰れません。
デザインを観察するときは、次の5つの問いを自分に向けてみてください。

観点 チェック内容
①誰に向けたデザインか 「初めてこの店を知る人向け」なのか「常連向け」なのかまで考えると、文字の大きさや言葉づかいの理由が見えてくる
②一番最初に目に入る情報は何か 写真か、キャッチコピーか、価格か。最初の0.5秒で何を見せようとしているかを言い当てると、情報の優先順位のつけ方が学べる
③どのくらいの距離と時間で見られるものか 歩きながら数秒で見る看板と、手に取ってじっくり読むパンフレットでは、文字の大きさも情報量もまったく別の設計になっている
④色・文字・写真、それぞれの役割は何か 色は目を止めるためか、写真は信頼感を出すためか、文字はどこまで説明を担っているか。役割ごとに分けて見る
⑤見た人にどう行動してほしいのか 来店してほしいのか、SNSで検索してほしいのか、QRコードを読み取ってほしいのか。ゴールから逆算する

この5つを毎回律儀に全部埋める必要はありません。
慣れないうちは1つか2つだけでも十分です。
大事なのは、感覚を言葉に置き換える回数を増やすことです。

チラシ、看板、パッケージ、同じ「情報」でも役割が違う

街の制作物を一括りに「デザイン」として眺めていると、見落としてしまうことがあります。
媒体が違えば、求められる役割もまるで違う、という事実です。

たとえば看板は、歩行者や車のドライバーが数秒で通り過ぎる前提で作られています。
文字数を削り、色数を絞り、遠くからでも読める大きさが優先されます。
一方でチラシは、手元でじっくり読まれることを前提にできるぶん、価格表やキャンペーン条件など、情報量を増やせます。
さらにパッケージになると、棚に並んだ状態でまず選ばれる必要があり、そのうえで手に取った人に安心して購入してもらうという、二段階の役割を背負っています。

チラシと看板を見比べて、文字サイズや情報量の違いを確認している様子

同じ「文字を大きくする」という判断ひとつをとっても、看板では視認性のため、チラシでは強調のため、パッケージでは商品名を覚えてもらうためと、狙いが違います。
媒体ごとの制約を意識しながら観察すると、単なる好き嫌いの感想が、設計意図の推測に変わっていきます。

写真だけで終わらせない、観察ノートの作り方

気になったデザインをスマートフォンで撮影する人は多いはずです。
ただ、写真フォルダに保存して終わってしまうと、後から見返しても「なぜ気になったのか」を忘れてしまいがちです。
撮った写真には、その場で一言メモを添える習慣をつけてみましょう。

メモの型はシンプルで構いません。
「①誰向けか」「②最初に見える情報」「③良いと思った理由、または気になった理由」の3行だけでも、後から読み返したときの学びの深さがまったく違ってきます。
スマートフォンのメモアプリでも、ノートの隅に殴り書きでも構いません。
継続のハードルを上げないことのほうが大切です。

⚠️ 撮影するときの注意点

店舗の看板やPOPを撮る場合は、営業の妨げにならない範囲にとどめ、可能であれば店員さんに一声かけると安心です。通行人やお客さまの顔が写り込まないよう、アングルにも配慮してください。また、キャラクターやロゴなど著作権や商標で保護されているデザインをそのまま自分の制作物に流用することはできません。あくまで「なぜ良いと感じたのか」を分析するための観察であり、模倣のための収集ではない、という一線は忘れずにいたいところです。

この観察力は、講座の課題でこう生きてくる

街で鍛えた観察力は、ソフトの操作を覚え始めたあとにこそ効いてきます。
デジタルハリウッドSTUDIO名古屋のグラフィックデザイン講座でも、チラシやロゴの制作課題に入ると、「操作はできるのに、何を基準に文字や写真の配置(レイアウト)を決めればいいか分からない」というつまずきがよく見られます。
このとき、普段から街の制作物を5つの視点で観察してきた受講生は、参考にしたい表現を自分の言葉で説明できるぶん、講師からのフィードバックも飲み込みが早い傾向があります。

💡 今日から始められること

帰り道のチラシか看板をひとつ選び、5つの視点のうち1〜2個だけ答えてみる。写真とひとことメモを残す。それだけで十分です。

栄や名古屋駅の周辺は、商業施設からロードサイド店舗まで観察対象に事欠かない立地でもあります。
通学のついでに、あるいは説明会や体験授業に来校する道すがら、5つの視点を試しに使ってみてください。
まだソフトを持っていなくても、今日この瞬間から始められる勉強法です。

まとめ

グラフィックデザインの勉強は、ソフトを開いた瞬間からではなく、街を見る目が変わった瞬間から始まっています。
誰に向けたものか、最初に何を見せているか、どんな距離と時間で見られるか。
5つの視点を持って歩くだけで、通学路も買い物中の店内も、立派な練習の場に変わります。
まずは今日の帰り道、気になったチラシか看板をひとつだけ選んで、写真とひとことメモを残すところから始めてみませんか。
もう少し踏み込んで学んでみたいと感じたら、デジタルハリウッドSTUDIO名古屋の体験授業で、その観察の続きを一緒にやってみましょう。

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投稿者プロフィール


デジタルダイブ
株式会社デジタルダイブ サービス担当者

デジタルハリウッドSTUDIO名古屋を運営。1995年に愛知県で創業したホームページ制作会社です。
名古屋・東京・大阪を拠点に全国の企業・官公庁の Web サイトを多数手掛け、幅広い分野で制作実績を積み重ねてきました。
創業以来、専門性の高いクリエイティブで信頼を築いています。

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